食事介助の目的は、第一に誤嚥や窒息などの危険がないように安全に食事をしてもらうことです。そして食べるための機能が低下している高齢者に、必要な水分や栄養素を十分に摂取してもらい、健康を維持してもらうことも目的のひとつです。
ここではそんな食事介助の中でも、特に食後の注意点についてご紹介します。
1.食事の内容の確認
どれだけ食事できたか、あるいは何をどれだけ残したかは、高齢者の健康を示すバロメーターです。
食事の量が少しずつ減っていくと、その変化には気づきにくいものです。食事の量が表すサインを見逃さないためには、残した食事の量や食事にかかった時間などを記録しておくと役立ちます。
また食事を残した場合、健康上の問題ではなく、介助者と高齢者のペースが合っていないことも考えられるため、このような記録を残すことは今後の食事介助を行う上での参考になります。
もし食事の摂取量が大きく変わった場合は、看護師や栄養士と相談する必要があります。
2.必要に応じて服薬介助
持病などで薬を飲んでいる場合は、食後に服薬介助を行うことも必要です。
特に注意したいのが認知機能が低下している場合で、どの薬をいつ飲むか、あるいはもう飲んだのかがあいまいになり、必要な薬を飲むことが難しくなります。そんな時は小さなポケットがついた「お薬カレンダー」を利用したり、薬のラベルにあらかじめ日付を記入するなど、飲み忘れや飲み過ぎを防ぐサポートが必要です。
3.食後の口腔ケア
健康な人は口の中に食べかすなどが残っていれば、すぐに飲み込めますが、高齢者の場合は感覚が低下しているため、口の中を把握するのは難しくなります。
また飲み込む力が衰えている場合は、飲み込むこと自体困難です。そのままにしているとその食べかすが気管に入り、誤嚥性肺炎や窒息の原因になることも考えられます。
それを防ぐためにも食後には、歯磨きやうがいなどの口腔ケアを行いましょう。入れ歯をしている場合は、外して洗浄することも忘れないようにします。
特に唾液腺が低下している人は口の中が乾燥し、雑菌が繁殖して口内炎が起こりやすくなります。高齢者の場合は口内炎が治りにくく、その間にも食欲が落ちていくことも少なくありません。更に雑菌が胃腸に入り、消化器系の病気の原因にもなりかねないため、食後の口腔ケアは必ず行うようにしましょう。
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